今回のお話もまたもや旅行先のホテルで起きた事。
今現在、つむり子の同居人である、一色さん。
そう、彼女こそが、次なる、不運な被害者になってしまったのです。
時を遡る事一年前の夏。
時差ボケの関係もあり、とてつもなく眠かったつむり子は夜9時ごろ、もうすでに泥のように眠っていました。
一色さんはといいますと、夏の間受けていた授業のテスト勉強を、テレビを見ながらこなしていました。
つむり子、寝相は悪くとも、どんな騒音の中でも眠れるという特性を持っています。
小さくついているテレビなど、静寂も同然なのです。
それはさておき、前科のあるつむり子は、一応、保険として、また起きる筈は無いと思いつつも、
一色さんに少々寝相が悪いことを伝えておきました。
何があっても驚くでないと。
そして夜。
勉強中の一色さん、つむり子がなにやらベッドでゴロゴロ寝返りをうっているのに気が付き、
テレビの音量が大きすぎたのかと、気を使い、
テレビの方に手を伸ばしたその瞬間。
がっばあぁっっ!
つむり子勢いよく起き上がりました。
ベッドに座った状態で(またもや不機嫌そうな表情で)少々固まりました。
そして、当たり前にも手をテレビの方に伸ばしたまま固まってしまった被害者。
焦りつつも、一応、声をかけてみる。
「ごめんね。テレビ、うるさかった?」
「。。。」
応答なし。
何なんだろうと首を傾げる一色さん。
だが、安心するにはまだ早かった。
次の瞬間。
ばっさあぁっっ!
何を思ったか、つむり子、かかっていた全ての毛布を足元の方に投げ捨てたのです。
バターン。
終いには、勢い良く後ろに倒れ、眠る。
本当に眠っていたのかどうかを確認する一色さん。
そして、ちょっとだけ部屋の設定温度を下げてあげたのです。
真夜中。
寒くて目が覚めたつむり子がなぜ自分の毛布が全てて引っぺがされている(かのように見える)のか、混乱に陥ったことは、言うまでもない。
そして、朝、つむり子は真実を知らされることとなる。
まだまだ続きます、つむり子の寝ている間のマジックショー。
さて、今回も。
次回予告:
安全であったはずの場所。
唯一残されたオアシス。
それが侵食されるのも時間の問題だった。
(音響:ティンパニーで地鳴りのような、ゴゴゴゴッ。そしてシンバル、シャーン!)
つむり子の逃げた先に現れた、ヤツ。
(つむり子台詞:何をしに来たんだ!)
そして、平穏な日々は音を立てて崩れ始める。
次回、「ひっくり返された天と地」
(つむり子台詞:もう逃げ場なんて、どこにも無いんだ…)
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